和歌山県立医科大学 内科学第4講座 循環器内科和歌山県立医科大学 内科学第4講座 循環器内科

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留学体験記-宮崎県-

国内留学
宮崎市郡医師会病院

 2022年4月より宮崎県にある宮崎市郡医師会病院心臓病センターに国内留学をしています。当院は宮崎県の中核病院として地域医療に貢献するだけでなく国内トップレベルの最先端の高度医療を提供しています。心臓移植/補助人工心臓を除くすべての循環器領域の検査や治療が可能であり、中でも冠動脈、末梢血管、アブレーションの領域は国内でも症例数は多く、2022年度の診療実績はCAG:2578例、PCI:827例(うち緊急PCI:285例)、EVT:505例、アブレーション:586例でした。当院の循環器内科医師は心臓病センター長の柴田剛徳先生をはじめ総勢25名が在籍しています。心臓カテーテル室は5室あり、PCI:2室、EVT:1室、アブレーション:1室、SHD:1室を使用して毎日終日カテーテル検査/治療をしています。

 柴田先生の作成したカリキュラムにしたがって、それぞれの学年や経験数に応じてCAG,PCIの症例設定がされます。設定された目標を達成していきスキルアップをはかっていきます。私の場合は、勤務して3ヶ月間でCAGを100症例してからPCIをするようになりました。現在(2023年12月)までの1年8カ月で私自身のPCI(Rotablator/OAS/IVLを使用する高度石灰化病変やCTO病変も含めて)件数も200症例以上施行しています。普段であれば学会や研究会といった限られたときでしか柴田先生とPCI治療戦略について議論することができませんが、国内留学しているときは毎日カンファレンスでPCIの治療戦略について一緒に議論できたことは私にとって非常に有意義な時間でした。

 また、2023年度日本循環器学会の当院からの演題採択総数は30演題と非常に多く学会活動も積極的に行っております。私も石灰化病変の新しい治療デバイスであるIVL(Intra Vascular Lithotripsy)の臨床データ解析もさせていただき、2023年1月に『Calcium Fracture After Intravascular Lithotripsy as Assessed with Optical Coherence Tomography』というタイトルでCirculation Journal誌に論文をアクセプトすることができました。 冠動脈カテーテル検査/治療に興味のある若手の先生にはとても症例数が多く、学びのある病院だと思います。また、柴田先生をはじめ宮崎市郡医師会病院のスタッフの先生たちは非常に優しく後輩に対して教育熱心であり、臨床/研究のスキルだけでなく医師として成長をさせてくれる環境であると確信しています。

和歌山県立医科大学 循環器内科
江守裕紀(2012年卒)