和歌山県立医科大学 内科学第4講座 循環器内科和歌山県立医科大学 内科学第4講座 循環器内科

ENTRY

留学体験記-シドニー-

オーストラリア連邦
シドニー

2023年8月よりオーストラリアのシドニー大学に留学中です。渡豪して5ヶ月程度なので、留学体験記というよりは、留学に至るまでの体験記になるため、あくまで一例ですが、これから留学を考えておられる方にとって参考になれば幸いです。

留学と助成金

 私は以前から海外に1-2年住んでみたいといった漠然とした理由のみですが留学願望がありました。そこへ、田中教授よりシドニー大学の根岸一明教授のラボに留学しないかとお声をかけて頂いたのが始まりでした。2021年12月に打ち合わせを始め、2022年10月出発を予定しておりました。しかし、家庭の事情で半年の延期が決まり、COVID-19もまだ収束していない状況でしたので、情報収集をぼちぼち行い、正直のんびりとした生活を送っておりました。2022年3月頃に根岸教授より留学助成金の申請など行っているか?と問い合わせがあり、調べてみると4月~9月にかけて申請締め切りのグラントが10数個あることが分かり、一変して大忙しになりました。幸い研究テーマを決めて頂けていたので、書類作成は大変でしたが、いくつかの財団から内定を頂くことができました。留学助成を申請して初めて知ったことですが、留学助成申請には①年齢と②PhDが重要でした。年齢は大体35歳以下と40歳以下にカットラインがあり、40歳を超えると応募できるものが極端に少なくなります。また、どの申請書にもPhDの取得時期(取得後4年まで等の制限あり)を記載する項目があり、PhDがない場合は他に沢山の業績がないと難しいと思います。

VISA申請

 グラントの結果が出揃った2022年12月中頃、VISA申請の準備に取り掛かりました。申請するVISAにもよりますが、ここで初めて大量の書類(戸籍謄本や資格、子供のワクチン接種歴などの全ての英訳)が必要であることが判明しました。中でも大変だったのは無犯罪証明書と健康診断です。無犯罪証明書は指定の警察署で指紋の採取を行い、警視庁を経由して証明書発行まで1ヶ月弱を要しました。健康診断はオーストラリア政府指定の病院まで家族全員で行かねばならず、ほぼ1日病院で健康診断を行いました。最寄りの病院は新大阪駅周囲にあり、車で一時間程度でしたが、日本ではその病院と兵庫県の病院が最南端らしく、九州から健康診断のためだけに来院されている方もいました。オーストラリアのVISA申請は完全オンラインで、大使館や領事館などの面接はありません。記載事項も多く手間ですが、それほど難しくはありませんでした。ちなみに、参考までにVISA申請代行業者に見積りをしてもらったところ、家族全員で約50万円とのことでした。ちょうどCOVID-19も落ち着き、申請者が増加した影響もあり、2023年2月に申請して最終的に7月にVISAが下りました。必要な書類など、もう少し早く準備しておけばよかったと思います。

英会話

 私ははっきり言って英語が得意ではありません。現在進行形で苦労しています。2022年1月に根岸教授からオーストラリアではTOEICやTOEFLよりもIELTSがメジャーであり、VISA申請などの色んな場面で必要になると教えて頂きました。そこで、今後の勉強の方針を明確にするためにも、とりあえず受けてみました。結果はオーバーオール4.5、英検で言えば2級、TOEICでは500点くらいの、書くのも恥ずかしい結果でした。しかし、幸か不幸か、私のVISA申請に必要な得点をギリギリクリアしていたため、以降の英語勉強のモチベーションというか危機感が少なくなったように感じます。その後もオンライン英会話などは続けていましたが、今となってはもっと真剣に取り組んでいたらと後悔しています。

セットアップ

 2023年8月に渡豪し、1ヶ月遅れて家族が来る予定にしておりました。その間、銀行口座開設、携帯電話や家の契約、免許証の書替えや自動車の購入、子供の入学手続きなどのセットアップをする必要がありました。そこで参考になったのは、オーストラリア留学をしている方のSNSやYouTubeでした。中にはいたたまれない失敗談などもあり、おかげで現時点まで大きなトラブルなく過ごせております。また、セットアップをサポートしてくれる業者もあります。失敗も楽しむくらいの精神力があればよかったのですが、こちらに関しては依頼させて頂きました。少々お値段はかかりましたが、結果的に非常にスムーズにセットアップができ、準備万端で家族を迎えることができました。

 初めての夏のクリスマスを迎え、陽気になったせいか、ブログのような留学体験記になってしまいました。そして、改めてもう5ヶ月も経ったことに自分自身驚いています。英語で伝えられないもどかしさや、結果が出せるかなどの焦りも日々感じてますが、新たな人や文化に出会い、刺激的で楽しい毎日を送らせて頂いてます。私の留学にサポートして頂いた関係者の方々には、この場を借りて御礼申し上げます。

和歌山県立医科大学 循環器内科
片山 陽介(2011年卒)