タイ王国
バンコク
私は2022年9月から2023年3月まで、タイ国バンコクにあるマヒドン大学の公衆衛生学に客員教授として赴任してきました。コロナ禍中で慣れない海外での生活でしたが、ボスになるOrawan先生が、生活面も含めてサポートしていただき、働きやすい職場環境でした。
研究面に関しては、Orawan先生とブラパ大学のChanauda先生の協力のもと、タイと日本の気候による急性冠症候群の発生の違いについての臨床研究を実施することができました。また、タイのコホート研究を使用した疫学調査を実施中で、今後は日本とタイでの地域住民を対象にした生活習慣の違いによる新たな疫学調査を検討しています。
学位審査などのマヒドン大学の仕事の他にも、タイ保険局や地域病院、私の研究テーマである遠隔診療など多くの現場を直接見学することができました。また、チェンライで開催された国際公衆衛生学会に参加し、発表できたこともいい思い出です。
約半年の短い期間でしたが、自分自身の新たな研究を発見し、継続的な調査を行う基盤ができたと感じます。これも、タイの人々が非常に親切で、外国人にも分け隔てなく接してくれるおかげだと感じました。マヒドン大学では世界の研究者を多く受け入れ、短期的なプログラムも充実しているので、日本の若手研究者のトレーニングとしても最適な留学先であると感じました。
和歌山県立医科大学 循環器内科
山野貴司(2000年卒)